キュリアス・マインド

キュリアス・マインド

キュリアス・マインド

Amazon.co.jpで詳細を見る
(はじめに〜ジョン・ブロックマン より)

 2003年の春、数学者ダグラス・ホフスタッターの講演会が、マサチューセッツ州ケンブリッジで開催されました。
 主催はダニエル・C・デネットが所長をつとめるタフツ大学の認知学研究センター。講演後、私が開いた夕食会には、ホフスタッターとデネットはもちろん、ハーバード大学の心理学者マーク・D・ハウザーをはじめとする多数の科学者が列席してくれました。
その夜の話題は、直観、進化生物学、人工知能、認知と神経科学、音感など多岐にわたり、さまざまな意見がテーブル越しに飛び交いました。思い返してみると、あれほど充実した夕食会ははじめてでしたし、これからもないと思います。
 その最中に、マーク・D・ハウザーがあらたまった口調でデネットに問いかけました。
「こうした問題をはじめて考えたのは、どんなときだったか覚えていますか? いくつでした? いつごろ、知識欲旺盛になりましたか?」
 デネットは6歳のときだと答え、ある大人から「そんなことを不思議に思うなんて、この子は将来、哲学者になるね」と言われたというのです。