ジャック・プレヴェール 鳥への挨拶

ジャック・プレヴェール 鳥への挨拶

ジャック・プレヴェール 鳥への挨拶

小さな物乞いが
鳥たちにお慈悲をねがっている


ああ
ぼくの手をいっぱいにしとかないで
いなきゃなんないのなら 夜までここにいるよ


そして彼のまなざしには嘆きのひかりが宿っている


このひかり
一羽の鳥がそれをとらえる


すぐに
純粋な思いやりから 大しておなかも空いてないのに 用心深くこまかい足取りで
こんなにも素直に差し出されているパンを 子どもの手から食べに行くだろう


すると喜びが この小さな物乞いの眼のなかに そのすべての火をともすだろう。